中小企業の経営者を対象に、中小企業庁や金融機関等が行なったアンケート調査に以下のようなものがあります。
このアンケート結果を見る限り、「税務署に提出するため」「銀行に提出するため」というふうに、決算書は義務的に作っているというイメージを受けます。
「会社の業績を知るため」という回答も7割近くありますが、経営に活用するという意識は2割程度という結果が出ています。
決算書の作成に関して義務的なイメージが強い理由がこのアンケートで明らかになりました。
半数を超える経営者の方が、決算書の内容をよく分かっていないのです。なかには、「今まで一度も決算書の説明をしてもらったことがない」という回答もありました。これには驚きです。
しかし、大半の先生方は「ちゃんと説明している」と思っているのではないでしょうか。
一生懸命説明していてもお客さまに決算書の内容が「見えていない」のでは意味がないですよね。
決算書をどんなふうに活用しているかというと、8割の方が「売上と利益の推移を確認している」という結果になっています。売上高は景気の影響を受けやすい数字でありますし、これらは一番気になる点でもあるでしょう。
しかし、残念なことに、決算書の内容が本当の意味でよく見えていないために、決算書を「経営に活用している」という経営者は3割で、「経営計画(事業計画)を策定している」という方は1.5割となっています。